片足鳥居


〜爆心地から南東800m〜


●爆心地から南東800mの山王神社の参道に「原爆鳥居」が立っています。これは長崎原爆の傷跡を残す数少ない遺構の一つです。この鳥居は1924年に建立 されました。

 原爆により神社の社殿は、倒壊し全焼しました。そして強烈な爆風がこの鳥居の片足と上部の天地石材を破 壊し、上部に残った笠石もねじ曲げました。そして副射熱線が鳥居の上部を黒く焼いています。
 また、鳥居の表面を 見ると、無数の人の名が刻んであるのですが熱線を浴びたために、石が溶けてしまって読めなくなっています。     
 爆風で折れたもう一方の足は、すぐそばに保存されています。

 


原爆くすのき

●山王神社の境内に入ると、目の前に、樹齢500年は下らないといわれている楠(くすのき)の大樹が枝を広げています。原爆によりこの楠も枝葉が吹き飛ばされ、幹に大きな亀裂を生じて一時は生存が危ぶまれていましたが、その年の、10月頃から被爆していない幹や枝から新芽を吹き出し、戦後復興に希望を与え、地域住民の励ましになりました。1969年に原爆被災の貴重な木として、長崎市より天然記念物に指定されました。そして1996年には、環境庁の『残したい日本の音100選』に山王神社境内が選ばれています。