21世紀にかけて国連が取り組んでいる「国際の10年」には、軍縮、国際法、植民地主義撤廃、障害者、女性、先住民、開発、環境保護等の「10年」が含まれています。

 また、国際家族年(1994)、国連寛容年(1995)、貧困撲滅の国際年(1996)等も実施されてきました。子供の権利条約も制定されましたが、日本を含めて、世界の子どもたちの権利はまだ十分に保障されず、日本では、いじめや不登校なども増大しています。また、工業化や開発に伴う環境破壊も深刻です。

 このような「構造的暴力」のもたらす矛盾と悪循環は、もう一つの人類生存の危機であり、これをどう克服するのか、進展する軍事と経済のグローバル化の下で、いかにして持続可能な内的発展を実現するか。これもまた、今日の平和問題の不可欠の構成部分であるといえます。平和研究や平和運動とも不可欠な基本的テーマです。